コラム: お墓

 親しい人との会話でお墓の話になりました。
 「私たちは入らない」と奥さん。
 「娘2人とも嫁いだら向こうのお墓に」
 「ではどうするの」
 「樹木葬を考えている」

 聞いてみると岩手の山の麓にそういう場所があり、すでに申し込んでいるとのこと。

 「樹木葬」は英語でどう表すのだろうと調べてみました。その名の通り tree burial でいいようです。

 例文も載っていたので参考まで。

   Tree burials may help solve issues of grave shortages.
   (樹木葬は墓地不足問題の解決に資するだろう)

 洋画に登場するお墓はほとんどが個人のもの。「~家先祖代々の墓」というのは日本独特のもののようです。

 調べてみました...。明治に入ると、家父長制(長男がすべての財産を継承し一族を束ねていく制度)を中心としたイエ制度に移行し、お墓は、供養と埋葬に加え、「○○家の墓」として家紋を彫るなど一族のシンボルともなります...。

 「火葬」は cremation と言います。動詞「火葬する」なら cremate となります。「火葬場」は crematorium 。

 「~家の墓」で墓地はいっぱい。でも、最近では個人の墓も増えてきているように思えます。人は生きて死ぬ、しかもいつ死ぬかはわからない。私たち人間はそんな不確かな存在です。不確かだけど生きてゆく...。お彼岸でお墓参りをしながら、いろいろと考えた次第です。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)