労働人口高齢化による影響
2000年以降、労働人口の高齢化は急速に進んでいます。令和の時代の大きな人口問題は働き盛り世代の減少です。2002年に全国で904万人だった60歳以上の就業者数は、2017年には1334万人になっています。建設業界でも3人に1人が55歳以上で、技能労働者の若年層減少問題も、近い将来深刻化することが予想されています。加齢による心身機能の変化として顕著なのは、疲労回復力、薄明順応、聴力、平衡能力、動体視力の低下。いずれも建設業界では転倒や転落など重大な事故につながるリスクになります。また、高ストレス、うつ、睡眠不足などによる疲労状態が続くことが事故につながるというデータもあります。
ヒヤリ・ハット体験は、不眠状態で18%、高ストレス状態では50%以上の増加が見られ、作業の安全性に大きな影響を及ぼすことが分かっています。対策として「疲労蓄積度」の自己診断チェックを行う職場も増えていますが、もう一つ注目するべきは「職場の快適度」。それもハード面だけでなくソフト面をチェックしていただきたい。ソフト面とは、例えばキャリア形成ができるか、人間関係が良好か、働きに見合った給料がもらえているかなどなど。つまり仕事にやりがいをもってストレスなく楽しく働けているかどうかです。