vol.11
働く人の心と身体の健康を大切な資源と捉え、健康増進や生活習慣の改善を積極的に職場で支える「健康経営」。コロナ禍の今、その重要性がますます高まっています。健康みやぎサポーターズは、健康経営に取り組む企業と、さまざまなノウハウを持つ協賛企業の橋渡しも行っています。
今回は、健康みやぎサポーターズ協賛社である株式会社レバークと、健サポフレンズの登録企業 株式会社宮城衛生環境公社のタイアップとして、健康経営セミナーを実施しました。
株式会社 レバーク
企業や個人への経営金融コンサルティングを手掛ける株式会社レバークは、自社の取り組み事例の紹介を中心に、企業に向けた健康経営の必要性をテーマにしたセミナーを開催しています。10月5日(火)は、健サポフレンズの登録企業 株式会社宮城衛生環境公社でセミナーを行いました。
宮城衛生環境公社は、昨年から2年続けて経済産業省の健康経営優良法人認定を取得し、既にさまざまな取り組みを行っています。今回は、役員や各セクションの責任者を対象にしたセミナーで健康経営に対する意識をより高めたいと考え、実施を決めたということです。
初めに、レバーク代表取締役の菅野正人さんが「社内で健康経営を浸透させるには」と題して講演しました。菅野さんは健康経営を実践するためには「身体」「心」「お金」の三つがバランスの良い状態になっていることが重要と説明。自社で実際に行っている取り組みを中心に紹介しました。特に心の面で「女性の働きやすい環境を整えることは、人材確保のために必要」と話し、子どもの学校行事に関わる休暇取得優先や、人間関係、家族関係を良くするための心理学セミナー実施などを行っていると話しました。そして、「健康経営を浸透させる土台になるのは、トップが従業員を家族として本気で幸せになってもらおうと考えること。その思いを伝えながら、簡単な取り組みから行ってほしい」と呼び掛けました。
ヘルスマネジメントコネクト
健康経営研究所
後半には、レバークと連携して企業へ健康経営の推進サポートを行っている、ヘルスマネジメントコネクト 健康経営研究所所長の佐藤利幸さんが「なぜ今、健康経営が必要か」を中心に講演。佐藤さん自身がコンサルティングの中で実際に感じたことを交えながら話しました。初めに1970年代から2060年までの国内年代別人口推移予測のグラフを示し、「少子高齢化が進むことが明確な今後、良い人材に長く働いてもらうためにも従業員を大切にしていかなければならない」と切り出しました。さらに、現代人が抱える問題が複雑化していることを話した上で「人の悩みの85%が人間関係と言われている。コロナ禍がストレスを加速させている今、従業員の心の健康はこれからの時代、特に大事。職場の人間関係を良好にすることを準備し、実行して」と訴えました。次に佐藤さんは健康経営のメリットについて説明。就活生の企業選びの基準が〝高収入より働き方重視〟になっている意識変化について触れ、健康経営に積極的な企業であることのアピールは、リクルートに良い効果があると述べました。最後に、自社内で実行しているランチ会やモチベーションアップセミナーなどを紹介。「自由にディスカッションできる場づくりも健康経営に有効。バランスを取りながら従業員の皆さんが幸せになる職場環境をつくり上げてほしい」と締めくくりました。
株式会社宮城衛生環境公社
常務取締役
家庭ゴミ・産業廃棄物の収集・運搬業務に従事している弊社は、数年前から健康経営の取り組みを始めており、職場環境も少しずつ改善されてきました。今後、より推進していくためには経営者の意識改革が重要だと考えています。
今回のセミナーは、役員や責任者が一堂に会する機会としては初の試みとなり、他社の取り組み事例を聞いて、まだまだできることがあると再認識。従業員の心の健康については、なかなか本音を伝えられない従業員もいるため、気軽に話しやすい環境づくりが必要だと感じました。
従業員には、いつまでも元気に働いてほしいという強い思いがあります。今後ますます社内への理解浸透を促し、取り組みを継続していきたいと思います。
※取材は新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し実施。取材終了後にマスクを外し顔写真の撮影を行いました。
2021年11月11日付 河北新報朝刊_特集紙面 Vol.11より転載
このページの内容は河北新報に掲載された特集紙面を一部再編集してご紹介しています。
河北新報掲載の特集紙面は以下よりダウンロードできます。