vol.16

今や常識!?「健康経営」
取り組む企業拡大中

企業が従業員の心と体の健康を大切な資源ととらえ、積極的に職場での健康づくりを支える健康経営。今や企業規模の大小を問わず取り組むことが常識になりつつあります。健康みやぎサポーターズが健康経営の取り組みを後押しする「健サポフレンズ」も登録企業が110社を突破。これまでの経緯や登録企業の活動の様子などをご紹介します。

TOPIC. 01

多様なサポートで職場での
健康づくりを応援

県民の健康課題改善へ 
さまざまな施策で後押し

従業員が健康でいきいきと働く職場をつくり、生活習慣の改善を図る「健康経営」。近年耳にする機会も増えているのではないでしょうか。この健康経営が、生産性の向上や離職率の低下、優秀な人材確保など企業のメリットにもつながるとして、今や多くの企業が積極的に取り組んでいます。

しかし、その一方で宮城県民のメタボリックシンドロームの該当者および予備群の割合は、2008年以降全国ワースト3位以内という不名誉な記録を更新中。そのほかにも「歩かない人が多い」「塩分過剰」「喫煙者が多い」など、県民の健康課題は山積みです。

県もこの状況に危機感を抱き、健康づくりに取り組む企業への支援をはじめ、さまざまな施策を行っています。その一つが、産官学の協力のもと県民の健康づくりを推進する運動「スマートみやぎ健民会議」です。2016年に設立し、現在は登録団体数が900を超え、着実に浸透しています。また、県内各市町村にお薦めのウオーキングコースを設け紹介するなど、社会環境の整備にも努めてきました。加えて、2020年から始まったのが「脱メタボ!みやぎ健康3・15・0(サイコー)宣言」。「減塩!あと3g」「歩こう!あと15分」「目指せ!受動喫煙ゼロ」の三つを重点目標として掲げ、県民に健康づくりを呼び掛けています。

健サポフレンズから 
地域密着の情報を提供

健康経営の推進啓発を目的に、河北新報社が展開するプロジェクトが「健康みやぎサポーターズ」です。2019年4月のスタートから定期的に紙上での情報発信を行いつつ、「健康経営勉強会」を開催。勉強会では、企業経営者や労務管理者を対象に、有識者の講演や全国健康保険協会(協会けんぽ)が提供するサポートメニューや、協賛企業の取り組みなどを紹介しています。また、職場での健康づくりに役立つ情報紙を毎年作成。協会けんぽ宮城支部会員企業を中心に広く配布するなど、健康経営の重要性・必要性を呼び掛けています。

さらに河北新報社は、健康経営に関心のある企業・団体の実践サポートのため、2020年に会員組織「健サポフレンズ」を設けました。会員登録企業には健康経営勉強会への優先的参加や、情報紙の送付、健康みやぎサポーターズ協賛社によるサービス提供など、多くのメリットがあり、業種も多様な110社を超える企業に登録いただいています。会員企業対象のアンケートでは、既に健康経営に取り組んでいる企業が79%、今後取り組む予定のある企業が14%と、健康経営に対する企業の積極的な姿勢がうかがえる結果となりました。登録後に取り組みを進める各企業の事例を、河北新報特集紙面および、特設WEBサイトで紹介しており、双方向からメリットや情報を提供し合う会員組織を目指しています。


2022年10月に開催した「健康経営勉強会」。
会場参加に加え、動画配信も実施

サポートを利用して 
まず第一歩踏み出そう

コロナ禍に突入して丸3年が経過し、職場での従業員の健康づくりへの関心、健康経営推進の期待はますます高まる一方です。健康経営を取り入れた結果、社内に活気が生まれたり、業務の効率が上がったりと、成果を実感する企業も増えてきています。「食」「運動」「メンタルヘルス」など、どの分野でもすぐに取り組めることがたくさんあります。多くのサポートや情報を上手に利用して、まずは小さなことから一歩を踏み出してみませんか。

健サポフレンズに聞きました!

株式会社プロトソリューション
仙台支社 
管理部仙台 山本 美枝さん

A1 健康経営勉強会への参加や、ほかの企業の取り組みを知ることができ、健康づくりのヒントを得ることができました。

A2 定期検診後、有所見者には受診を積極的に勧めたり、定期検診に婦人科検診を組み込むなど、検診内容を見直し強化しました。そのほか、メルマガや社内報、WEBセミナー、イベントなどで健康情報を提供。さらに、健康支援アプリを導入しました。

A3 今後も、宮城県内の健康課題や最新情報を共有いただきたいと思っています。できれば、健サポフレンズ登録企業の交流の場があれば、問題解決や情報交換の機会になるのではないかと考えています。

資材リンコム株式会社 東北支店 
東北物流センタ 所長 本田 勝彦さん

A1 健康経営優良法人認定制度と職場健康づくり宣言は、取り組むべき内容に網羅性があり、かつ職場の現状把握に役立っています。

A2 コミュニケーションの活性化として、始業時ミーティングで一人一言と一人一人の健康・検温状態宣言をしています。また、資格を持つ職場の代表者による事故事例、働き方改革の状況および健康環境の意見交換の場として「安全衛生委員会」を運営しています。

A3 発信される情報は、職場の現状と照合または違った角度から考察することができる機会となっています。特に健康経営勉強会は、年1回の認証更新審査に臨む位置づけとして参加します。

全国土木建築国民健康保険組合 
仙台健康支援室

A1 地元企業の皆さまの健康づくりの状況を知ることができ、健康経営勉強会では、より知識を深めることができました。

A2 食生活改善に向け、冷凍食品を使ったワークショップに参加したり、栄養バランスの良い宅配弁当を利用。運動面では、宮城県主催のウォーキングイベントに参加しました。ヘルスリテラシー向上のため、健康づくりに関するWEBセミナーなども聴講しています。

A3 皆さまの取り組みを興味深く読ませていただいています。いつか当室が支援している事業所の取り組みが掲載されることを夢見て、日々励んでいます。

※取材は新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し実施。取材終了後にマスクを外し顔写真の撮影を行いました。

2023年2月14日付 河北新報朝刊_特集紙面 Vol.16より転載

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このページの内容は河北新報に掲載された特集紙面を一部再編集してご紹介しています。
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