河北新報特集紙面2023
2023年12月4日 河北新報掲載
震災伝承新聞被災地取材レポート②中学生記者が復興の現場へ
将来の大災害に備える教訓の若き担い手である中学生たちが、宮城県内の被災地を取材し、その成果を「震災伝承新聞」として2024年2月に発行。宮城県内外の中学校や災害伝承施設へ配布する予定です。今年度で4回目を数えるこの取り組み。今回も3校が参加し、仙台白百合学園中学校の7人は石巻市雄勝町を訪問しました。
同世代に伝えるために
取材に先立ち、河北新報社の記者経験者が取材のノウハウや東日本大震災における石巻市雄勝町の被害状況を説明するオリエンテーションを実施しました。
9月30日、仙台白百合学園中の3年生5人と2年生2人は小島漁港でホタテ漁師の佐藤一(はじめ)さんの漁船で甘味とうま味で定評ある雄勝産ホタテの養殖現場を見学しました。佐藤さんは、耳つり式の垂下ロープを引き上げ、量より質を優先する養殖の仕組みを説明。そして、震災直後の被害状況と養殖再開までの道のり、今後の展望について詳しく話を聞くことができました。
佐藤一さんの漁船で
ホタテ養殖見学
次に訪れたのは、「道の駅 硯上の里おがつ」敷地内にある「雄勝硯伝統産業会館」。雄勝硯と雄勝石加工品のギャラリー、展示室を見学後、雄勝硯生産販売協同組合の徳水辰博(とくみずたつひろ)さんらの指導で、雄勝石を使ったコースター作りにチャレンジしました。自然石に鉛筆で作りたい形の輪郭を描き、粗く削り出した後、紙ヤスリで研磨。徳水さんが表面に仕上げを施した後、完成品を受け取りました。
雄勝石クラフト体験に挑戦
昼食後、津波にのまれながら生還した語り部の佐藤美千代さんから八百屋再開までの苦労、震災前の4分の1に人口が減った地元に対する思いを聞きました。「雄勝地区震災慰霊公園」では雄勝病院犠牲者慰霊碑に献花。入院患者40人と職員26人が犠牲となった雄勝病院に地震発生時居合わせた雄勝町渚泊推進協議会代表、阿部久良さんから当時の状況を聞き、歩行が困難な入院患者を助けようとして犠牲となった鈴木孝壽副院長のご遺族にも後日取材を行い、より理解を深める機会を得ることができました。
地震発生時の様子を語る
阿部久良さん
鈴木副院長の奥様、裕子さん(右)と
娘の高橋裕美さん
現在、中学生記者たちが取材を振り返りながら、
2月発行予定の特集紙面の制作に奮闘中です!
現在、中学生記者たちが
取材を振り返りながら、
2月発行予定の特集紙面の
制作に奮闘中です!