河北新報特集紙面2024

2024年10月1日 河北新報掲載 
命を守る教訓をつなぎ、地域再生の確かな脈動を。

今できることプロジェクト2024年度スタート

命を守る教訓をつなぎ、
地域再生の確かな脈動を。

東日本大震災の発災から14年目の本年度は、
被災地に寄り添って伴走するプロジェクトの原点はそのままに、
被災地における復興への営みを学び直し、
次世代に震災の記憶と教訓を伝える活動に注力します。
震災と復興について理解を深めたい。
記憶と教訓をつなぐ一翼を担いたい。
そうした共感の輪を広げるため、
各地で躍動する地域再生の歩みを応援し、
新たな可能性の道筋を開く3つのプログラムを実施します。

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次世代参加型プログラム

中学生が被災地の今をレポート「震災伝承新聞」

中学生が被災地の今をレポート「震災伝承新聞」

中学生に託す伝承のバトン
 東日本大震災の発生から年月が経過し、震災前後に生まれた中学生の世代では、震災の記憶を持ちあわせていないケースがもはや圧倒的です。来たるべき大災害から一人でも多くの命を守るためには、若い世代へ教訓を継承していくことが欠かせません。今年度は、聖ウルスラ学院英智中、仙台市立五橋中、仙台市立三条中の生徒たちが南三陸町、山元町、松島町を取材。その成果をまとめた特集紙面「震災伝承新聞」を、宮城県内外の中学校や震災伝承施設へ8万部配布します。
 中学生記者たちが取材に臨み、成果発表を行う模様は、10月と来年3月に河北新報紙面でお伝えするほか、FacebookなどのSNSでも発信していきます。

【中学生震災伝承新聞発行】
2025年2月予定

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読者参加型プログラム

石巻・大川小を知り、「未来を拓く」上映会ツアー

石巻・大川小を知り、「未来を拓く」上映会ツアー

悲しみを乗り越えて故郷を描いた若き映像作家に思いを重ねて
 北上川河口から3.7km内陸に位置する石巻市立大川小学校では、東日本大震災の大津波で児童・教員84人が犠牲となりました。当時小6の妹を亡くした佐藤そのみさんは、震災の4年後に日本大学芸術学部映画学科へ進学し、在学中に震災をテーマにした映画を制作しました。ツアーでは、まず「石巻市震災遺構大川小学校」を訪問。学びを深めた後、「石巻市震災遺構門脇小学校」に移動し、震災直後の大川地区を舞台に多感な14歳の心境を描いた劇映画「春をかさねて」と、家族や友人を大川小で失った同世代の震災から8年半を経た姿を、当事者の目線で追ったドキュメンタリー「あなたの瞳に話せたら」を上映します。津波火災の痕跡を唯一残す本校舎など震災遺構の見学も行います。

【ツアー実施】
2024年12月中旬予定

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賛同企業・
読者参加型プログラム

仙台・沿岸部で「備え」を学ぶ

仙台・沿岸部で「備え」を学ぶ

BCP(事業継続計画)の観点で復興の歩みを振り返る
 震災により物流が途絶し、生活物資の入手が宮城県全域で困難となった状況下で、「みやぎ生協」は全国からの支援を受け、数量限定の店頭販売や救援物資輸送、ボランティアセンターの開設などで県民の暮らしを支えました。このツアーでは、泉区「みやぎ生協東日本大震災学習・資料室」を訪れ、豊富な展示・映像資料などから備えの大切さを学びます。
 津波で機能停止した宮城野区にある基幹下水処理場「南蒲生浄化センター」は、応急処理から新施設の完成まで5年以上を要しました。当時の状況を伝える映像資料や講話に学び、津波の威力で壁面が湾曲した第3ポンプ場などを見学。災害に強く、環境にも配慮した未来志向のインフラ施設の視察も行い、BCP事例から理解を深めます。

【ツアー実施】
2025年1月下旬予定

河北新報社が考える
被災地支援プロジェクトは、
地域の可能性を発信し、
記憶を継承する取り組みへ。
 東日本大震災からの復興を果たすため、「今、私たちにできることは何だろう?」という真摯な問いかけから、2012年に活動がスタートしたこのプロジェクト。被災地訪問ツアーや情報発信支援、参加者が現地で汗を流すボランティア活動など、年度ごとに企画や内容の拡充を図り、アクションの幅を広げてきました。さまざまな派生プロジェクトにも取り組みながら、この活動は新たな可能性を模索し続けます。