現場で働く社員の声

八巻 愛知
編集局編制センター
八巻 愛知
2017年入社

 新聞記者というと取材をして記事を書く「外勤記者」を想像するかもしれませんが、新聞社には「整理記者」も存在します。編制センターは自社や通信社の記者が書いた記事に見出しを付け、紙面のレイアウトをするのが主な仕事です。

 担当する面にどんな記事を掲載するか、事前にメニュー表が配られますが、その通りに作業が進むことはほぼありません。国内外の新しいニュースが次々に入ってくるので、メニューは随時入れ替わります。その都度デスクと相談し、取捨選択しながら紙面を作ります。降版(紙面を印刷に回す締め切り)時間ぎりぎりにニュースが飛び込んでくることもありますが、降版時間は厳守です。差し迫った時間帯は脂汗が出て胃が痛くなることもしばしばです。

 皆さんが普段目にする紙面には、記者の努力やこだわりがたくさん詰まっています。記事を分かりやすく伝える見出しを考えることはもちろん、ニュースの価値判断をして扱いに大小をつけます。また記事の雰囲気を伝えるために見出しに色を付けたり、字体を変えたりもします。写真や見出しの位置が偏らないように気を付けるなど、見た目の美しさも大切です。ダジャレのような見出しを付けたり「五・七・五」にしてみたりと、遊び心も忘れません。

 編制センターの仕事は独創性や個性を発揮できる仕事です。同じニュースでも人によって全く違う紙面になります。いかに読みやすく分かりやすく、そして美しく作るかに全力を注ぎます。私にとって日々作る紙面は「作品」だと思っています。

一日の動き
14:00 出社。翌日の朝刊に掲載されるニュース面を作る前に、数日後に掲載となる「くらし面」「文化面」などのフィーチャー面を作る。
終わったら全国紙やネットニュースをチェックする。
16:00 フィーチャー面の担当がなければこの時間に出社
17:00 ニュース面作りがスタート。この日は2面。デスクからメニュー表が配られる。
行数、写真の有無などを基に大まかなレイアウトを考え始める。
この時点で「記事が足りない」「あふれる」などとデスクに伝える
18:00 原稿が順次届き始める。頭を悩ませ見出しを考える
19:00 新しいニュースを入れてほしいとデスクから指示が入る。
せっかく見出しを考えた記事は外すことに。
どんどん原稿が届き、宮城県外に配られるため締切が早い「早版」の降版に向けて徐々に紙面が出来上がる。
社外秘 早版降版
社外秘 早版では入らなかった記事を収容するため、宮城県内に配られる「遅版」用の紙面を作り始める
23:30 遅版もほぼ組み上がり、細かい所をチェックする。
印刷センターで刷られ本社に届けられた早版について、実際の紙面でも出来上がりを確認。
社外秘 遅版を降版しすぐに帰宅する。自宅で夕食を取り、日課のランニング。
運動後は動画配信サービスでドラマ鑑賞
翌12:00 自宅を出る。出社前にランチを食べ、喫茶店で読書をしてから会社へ。

※ 肩書は取材当時のものです