社長からのメッセージ

河北新報社代表取締役社長 一力 雅彦
河北新報社代表取締役社長
一力 雅彦

 河北新報は1897(明治30)年1月17日の創刊以来、東北の発展のために力を尽くしてきました。その志に共鳴し、共に働く仲間を私たちは求めています。
創刊から続く題号の「河北」には、東北が明治維新後に「白河以北一山百文」と軽視されたことへの反骨心と東北復権への決意が込められています。この128年間、地域社会に根差した情報を発信し、たゆむことなく紙齢を重ねてきました。
 さまざまな情報があふれる多メディア時代にあって、新聞の強みは「信頼」です。今後も読者の信頼をベースに、地域社会に必要とされるメディアであり続けるため、皆さんと力を合わせて取り組んでいきたいと考えます。
 長い歴史の中で東北は何度も困難に直面し、2011年には東日本大震災が発生しました。震災から14年たった今も被災地の再生は道半ばです。被災地の実情をきめ細かく伝えるとともに、その教訓を来るべき次の災害への備えにつなげることが地元紙の使命であり、粘り強く震災報道を続けていきます。
 デジタルについては「紙もデジタルも」の基本戦略に沿って、紙面とデジタルを同時並行で編集する統合編集を本格的に始めます。編集や広告営業、事業、販売で培った人的ネットワークやノウハウを生かし、デジタルを使ったビジネス展開を企画・実行するための機構改革を進めています。交流サイト(SNS)が台頭する中、新時代に必要な地域メディアを目指し、紙とデジタルの融合を加速させ、地域密着のニュースや暮らしに役立つ情報をきめ細かく発信していきます。
 社会が変革の時代を迎える中、重要なのは「変える力、変わる力」です。若い皆さんの柔軟な発想を河北新報社で生かしてほしいと思います。会社の誰もが力を発揮できるよう、働き方改革や研修にも力を入れています。多様な人材がいる組織からはアイデアや活力が生まれます。河北新報社の仲間として共に前に進みましょう。