賛同企業の取り組み

2014年11月22日 河北新報掲載 浦戸諸島 島のおすそわけエコウォーク

東北グリーン復興事業者パートナーシップ 復興庁「新しい東北」先導モデル事業 浦戸諸島 島のおすそわけエコウォーク 実施/2014年11月1日(土) ツアーレポート

浦戸諸島の人・自然・食・歴史を生かした復興を目指し、地元ガイドが土地の魅力を案内するエコウォーク。今回は、東日本大震災直後に支援のため島を訪れた、長野県伊那市の有志の方々が参加。3年後の浦戸諸島の姿を見てもらいました。

(島のおすそわけエコウォーク第2回、第3回の参加者募集要項はこちら)

浦戸諸島の「宝」に触れたエコツアー

浦戸諸島の魅力を伝える地元ガイド

ツアー当日、あいにくの雨模様でしたが、桂島に到着するとガイド役の内海粂蔵桂島区長がツアー参加者を出迎えてくれました。
内海さんは9月に浦戸諸島で行われたエコツーリズム人材養成セミナーを受講。プロのエコツアー会社経営者、ガイドから学んだことを生かし、地元ガイドとして多くの人に島の魅力を伝える役目を担っています。
まずは島の名物であるカキの処理場を案内。「今年は雨が多く、陸から植物性プランクトンが海に流れ出て、カキの生育がとても良いんです」。クレーンで水揚げされたカキは洗浄・殺菌処理され、フォークリフトで処理場に運ばれます。「殻は粉砕機で細かくして、アサリ養殖や畑の肥料などに活用します」と説明。皆さん、殻が粉砕される様子を食い入るように見ながら「長野でもカキ殻肥料を田んぼに使っていると聞いたことがあるね」と口々に話していました。

粉砕されたカキ殻は道路の舗装にも使われます

島の歴史と暮らしに思いを馳せて

次は桂島漁港から島内を散策。途中の民宿の前で、内海さんが震災前の島の風景やかつての島の暮らしと、津波の影響について話しました。「昔、桂島は避暑地として人気で、仙台の学生がよく合宿に訪れていたそうです」と言って、持参した明治時代の海水浴場の写真を見せてくれました。また、桂島海水浴場では、「震災前は砂浜に松並木が広がり、海が見えない程でした」と昔を思い出すかのように感慨深げに話しました。
このように昔の写真を見せたり、震災前の情景を想起させる言葉で説明をしたりと、今ないものを分かりやすく伝える手法はガイド養成講座で学んだこと。ただ足を運んでもらうだけでなく、島の文化や歴史も含めて知ってもらい、「また来るね」と言ってもらうことがさらなる復興につながります。

食べて、見て 浦戸の魅力を満喫

島内のペンション・スターボードで浦戸諸島を紹介するDVDを鑑賞した後は昼食の時間。島自慢の海の幸バーベキューでもてなしてくれたのはオーナーの内海春雄さん・美恵さんご夫婦です。浦戸の殻付きカキのほか、イカやエビ、ツブ貝をたっぷり堪能しました。「長野では小さいアサリを食べるくらいで、一度にこんなに魚介類を食べることがなかった」と皆さんすっかり満足した様子。

昼食はカキを堪能。味噌汁も旨みが出て美味

お腹を満たした後は、内海春雄さんの案内でクルージングへ。浸食により四つの穴がある鐘島や有名な奇岩、仁王島などのほか、カキやノリの養殖場など、島の自然と産業を間近で見ることができ、約3年ぶりに訪れた浦戸諸島の復興を肌で感じてもらえた1日になりました。
今回のエコウォークを主催した、一般社団法人「e-front」は、震災直後から島の皆さんとワークショップを運営し、島の復興プランの立ち上げをサポート。島内外の方々と協力して浦戸諸島の観光と食の連動による「浦戸ブランド」の構築に取り組んでいます。

エコウォークの思い出に全員で記念撮影

参加者の声

「舫の会」代表
若林 徹男さん

足を運ぶことが大切 毎年でも訪れたい

3年前、浦戸諸島への支援の際に活動団体「舫の会」を立ち上げ、初めて島を訪れました。その縁で今回参加することになりましたが、雨でエコウォークが中止になったとしても、みんなで来ようねと話していたんです。たとえイベントなどがなくても、島に足を運ぶことが大切なのだと思います。個人的には毎年訪れたいですね。

「舫の会」メンバー
竹村 千尋さん

カキのおいしさは他では味わえません

震災直後に訪れた時は、海水浴場に積み上がっていた瓦礫の多さに圧倒されたのを覚えています。そこから比べると、今回の第一印象は港がきれいになったなぁというのがあります。それにしてもカキがおいしかったです。昼食では6個位いただきました。長野で出回っているのとは新鮮さが全然違います。機会があったらまた来たいと思います。

ガイドの方の声

浦戸桂島区 区長
内海 粂蔵さん

浦戸諸島の魅力満載のエコウォークです

桂島生まれで、ずっと島に住んでいます。晴れた日は栗駒山まで見える景色のすばらしい所です。「e-front」の協力もあり、おかげさまでたくさんの方々にお越しいただく機会も増えました。私自身、さらに勉強して、どんどん島の魅力をお伝えできたらと思っています。ぜひ島の生活や歴史に触れるとともに、浦戸の食を堪能しにいらしてください。

参加者募集 浦戸諸島 島のおすそわけエコウォーク 募集要項 各先着20名様 浦戸諸島の自然と歴史、食を堪能し、島の魅力にふれてみよう!

第2回 「寒風沢、野々島エコウォーク」

●開催日/2014年11月29日(土)
●開催場所/浦戸諸島(寒風沢島、野々島)
●集合場所/マリンゲート塩釜 9時30分市営汽船に乗船(塩釜)
●解散場所/マリンゲート塩釜 14時08分市営汽船に乗船(寒風沢)
●料金/3,000円(船代、保険代、昼食代、お土産(カキ)代込み)

第3回 「桂島エコウォーク」

●開催日/2014年12月6日(土)
●開催場所/浦戸諸島(桂島区・石浜区)
●集合場所/マリンゲート塩釜 9時30分市営汽船に乗船(塩釜)
●解散場所/マリンゲート塩釜 14時31分市営汽船に乗船(桂島)
●料金/3,000円(船代、保険代、昼食代、お土産(カキ)代込み)

※事前に下記までお申し込みください

お問い合わせ先:
一般社団法人e-front 担当/國吉 tel 090-1499-8149
申し込みアドレス info@ecowalk.jp

今回の「賛同企業の取り組み」の紙面をPDFで見る