福島第1原発処理水の海洋放出が 2023年春ごろに始まる。 処分方針の決定によって浮き彫りとなった社会の葛藤と復興の課題を追う。
立場や価値観を超えた対話は尽くされず、賛否の溝は埋まらないまま、かみ合わない歯車がそこかしこできしむ。処理水の問題は今後数十年にわたる廃炉作業の序章に過ぎない。
福島第1原発に林立するタンク。処分方針が定まらず、2021年4月の海洋放出方針の決定まで丸10年を費やした。背景に何があったのか。棚上げの経過を検証する。
処理水の海洋放出方針は、多くの国民の理解を得た上で決定されたとは言い難い。立場や世代を超えて話し合い、異なる意見を認め合うような議論はなぜ尽くされないのか。
福島第1原発事故から丸11年が過ぎた。震災との「複合災害」は、東北の復興に今も影を落とす。事故をどう伝え、向き合えばよいのか。若手記者が廃炉の現場を歩いて考えた。
福島第1原発にたまる処理水処分は、政府が決めた海洋放出の開始まで1年を切った。浜通りから離れて福島県内陸部に暮らす人たちは今、どんな思いを持っているのか。胸の内を探った。