東日本大震災と福島第1原発事故の影響で命を落とした震災関連死。遺族の声から関連死の今と未来を考える。
悲しみを胸にしまい、自責の念に眠れない日々を過ごす遺族。古里に戻れずに逝った避難者は郷愁を短歌に記し、洋菓子の空き箱に封じた。支援する側も新たな難題と向き合う。
震災と原発事故の影響で亡くなっても、関連死の統計からこぼれ落ちた死がある。遺族が災害弔慰金の支給申請をしても審査で対象外とされたり、そもそも申請しなかったりした事例だ。
震災関連死を判断する際、広く用いられたのが新潟県中越地震で策定された「長岡基準」だった。様相の異なる災害の物差しに被災自治体は悩み、基準の在り方が問われ続けた。
震災と福島第1原発事故に伴う関連死で得られた教訓は、次の災害への備えとして生かされているのだろうか。医療態勢や避難所環境の現状を検証し、命を守る手だてを考える。