2019年3月17日 未来を担う子どもたちを応援 「こども未来応援教室」レポート
地域の将来を担う子どもたちを応援する「こども未来応援教室」を2月17日に開催。会場の仙台育英学園宮城野キャンパスには約300人の応募から、ワクワク感いっぱいに目を輝かせた120人の子どもたちが集まりました。午前の部は、目指すべき将来像を思い描き、これからの未来へ期待を高めてもらうことを目的とした、プロジェクト賛同企業などによる独自の授業「社会科学習」を3クラス実施。午後の部は、子どもたちの関心が高いシゴトに携わっているプロを招いて講義を行ってもらい、そのシゴトを実際に体験してみる「シゴトワークショップ」を4クラス行いました。どの授業でも、子どもたちはみな熱心なまなざしで取り組んでいました。当日の様子をレポートします。
面白い授業を通して、好奇心が刺激されます。 知識が広がります。
企業のことが、今までよりもっと 身近に感じられるようになりました。
●提供/ソフトバンク
ソフトバンクロボティクスが手掛ける人型のロボット「Pepper」。最先端の技術を使って開発されたこのロボットの仕組みについて学び、専用プログラミングソフトを使って、自由に動作や発音をさせるアプリケーションを作成しました。子どもたちは2〜3人ずつのグループに分かれ、スタッフからアドバイスを受けながらPC端末にプログラムを入力。「家族」や「学校」「空港」のテーマに沿って、お互いに話し合いながら会話や動作を決めていきました。最後は、グループごとにアプリケーションを動作させて発表。Pepperの楽しい仕草やセリフによって会場には笑い声が響きました。
大久保 和泉さん(小学6年生)
将来の夢はプログラマー。
Pepperのセリフを考えたり、操作させたりするのが難しかったですが、最後の発表のときにはうまくできてうれしかったです。将来の夢はプログラミングをすることだったので、今日の授業は貴重なものになりました。学校の授業では習えないことができて本当に良かったです。
●提供/大和証券
大和証券仙台支店副支店長の米丸淳司さんが講師として登壇し、子どもたちの元気な挨拶とともに授業がスタート。前半の部は、世界にどんな企業があり、どのように株式市場が経済を支えているかを学びました。休憩後の後半、子どもたちは5〜6人のグループごとに分かれ、河北新報の株式欄を使って、出題された3つの企業の名前と株価の終値を探し出すゲームに挑戦。早く銘柄を見つけられたチームにはお菓子がプレゼントされ、会場は大いに歓声で沸きました。米丸さんは授業の締めくくりに、「輝かしい未来に必要なものを今からしっかり準備しておき、素敵な人生を歩んでくれることを願います」と結びました。
岡崎 和奏さん(小学6年生)
将来の夢を実現させるために。
株式がどんな仕組みで、どのように会社の運営に関わっているのかずっと興味があったので、この授業を受けることで納得することが多くありました。米丸先生が「たくさんの夢を持つことが大切」と授業で話してくれたことが、とても印象深く残りました。
●提供/宮城県自動車整備振興会
青いつなぎの作業服とワークキャップを身に付けた40人の子どもたちは半分ずつに分かれ、講義と作業体験の授業を受けました。教室では、宮城県自動車整備振興会の講師が、自動車整備士がどんな仕事で、どんな勉強や資格が必要かを紹介。エンジンのモデルを使って、内部の詳しい仕組みも学ぶことができました。教室の外では、本物の自動車でスキャンツールを使ったワイパーの動作チェックとタイヤ交換について説明。実際にトルクレンチでボルトを外すタイヤ交換も体験しました。授業の最後には、「自動車整備士は車のお医者さん。機械を触るのが好きな人は整備士を目指してください」とエールを送りました。
佐藤 碧人さん(小学5年生)
自動車が走る仕組みを学習。
ブロックのおもちゃで車のモデルを作るのが好きなので、自動車の内部がどうなっているのか興味がありました。この授業では、エンジンのモデルで動作の仕組みを知ることができてうれしかったです。また、工具を使って行うタイヤ交換も、良い経験になりました。
このシゴトをするには、どんなことが大切なのかな?
いっしょに学んで、一生懸命質問して、とても楽しい授業でした。
一目ずつ細やかに縫い上げる作業に熱中
作業台に並んだ色とりどりの布地を手に取り、ポケットティッシュカバー作りに挑戦。まずは、針穴に糸を通す作業から始まりました。1cmの縫いしろをとり、折り線に沿ってなみ縫いに取り組む子どもたちの表情はみな真剣そのもの。アイロンで折り目をつけて裏返し、ボタンとホック付けまで行いました。初めて裁縫を体験する子どもたちも多かったのですが、ビック・ママテクニカルスタッフの皆さんが丁寧に指導。完成間近となり、それぞれ好みのボタンを選ぶ時には、みんな笑顔がほころんでいました。出来上がりを手にした子どもたちの満足そうな表情がとても印象的でした。
北條 日菜さん(小学4年生)
お裁縫の技術がレベルアップ!
学校では、まだ家庭科の授業で習っていないのですが、家でお母さんに教えてもらいながら手芸を楽しんでいます。ポケットティッシュカバーの作成は初めてだったので、とても作りがいがありました。なみ縫いも上手にできたと思うので良かったです。
幸せな結婚式を成功させる縁の下の力持ち
授業を担当したのは、パレスへいあんのウエディングプランナー奥田さんとフローリストの皆さん。まずは、婚礼写真のスライドとともに、ウエディングプランナーの業務について説明しました。「私たちは、どんな結婚式にしたいかカップルの要望を汲み取りながら、一緒に作り上げるお手伝いをしています」と奥田さん。また、子どもたちには、理想のウエディングケーキを絵に描いてもらい、憧れの結婚式を思い浮かべてもらいました。後半は、フローリストの指導によるバスケットブーケ作り。ガーベラやトルコキキョウ、リボンやピックを使って、オリジナルのウエディングアイテムを完成させました。
阿部 さくらさん(中学2年生)
幸せを演出する仕事に感銘。
ウエディングプランナーという職業名は知っていたのですが、実際にどんな仕事をしているのか知りたかったので良い機会となりました。また、美術の授業が好きなので、フローリストの方に教えてもらいながらバスケットブーケを作る作業は楽しかったです。
心に響くキャッチフレーズを作るために
商品や企業を効果的に宣伝するためのキャッチフレーズを考えるコピーライター。鎌田さんは、コピーを書く上で対象をよく観察することが大切だと話しました。「ポイントは商品の一番のアピールポイントを見つけること。相手の立場に立って、自分ならどう言われたいのかを考えてみてください」という指導の下、コロッケを広告するキャッチフレーズ作りに挑戦。みんな真剣に文章を考え、工夫を凝らしました。最後は1人ずつ発表を行い、独創的で楽しいキャッチフレーズを披露。子どもたちの柔軟な発想に「着眼点がすごい、表現も素晴らしいですね。」と鎌田さんはうれしそうに作品をほめていました。
齋藤 利史さん(小学6年生)
コピーライターへの関心が高まった。
文章を短くまとめたり、キャッチフレーズを考えたりするのは苦手でしたが、今回の授業でそのコツを教えてもらえて、うまく書けるようになりました。お父さんの友だちがコピーライターということもあり、今日は仕事の内容をしっかり聞けてさらに興味が湧きました。
正確な天気予報を多くの人へ発信
教室に現れたのは、東北放送(TBC)の気象予報士「マサくん」でおなじみの佐藤正則さん。まずは、集まった子どもたちに珍しい気象現象や雲の種類などを紹介し、質問に答えながら授業を進めました。その後、天気を予測する上で重要になる気圧配置や偏西風について説明し、みんなの前で気象予報のお手本を披露。子どもたちはプロの実演に「すごい!」と目を輝かせていました。「結論を分かりやすく伝えるために、順序を考えて話すことが大切です。テレビに出るのは数分ですが、準備にはたくさんの時間をかけています」という佐藤さんの言葉にみんな興味深く耳を傾けていました。
高内 鴻太さん(中学1年生)
興味のあることに挑戦していきたい。
今まで難しいと思っていた気圧や等圧線などについて知れて、以前よりは天気図を読み取ることができるようになったと思います。将来の夢はまだ決まっていませんが、今回の授業を通して興味のあることをとことん勉強してみたいと思います。