河北新報特集紙面2014

2014年11月23日 河北新報掲載 情報発信セミナー&バスツアーレポート「七ヶ浜の元気、新発見」

情報発信を学んで、被災地で実践するプロジェクト 情報発信セミナー&バスツアーレポート「七ヶ浜の元気、新発見」

セミナーから七ヶ浜バスツアー、そして情報発信まで。

参加者の体験記

震災から3年半以上が経ちました。いま被災地はどうなっているのでしょう。復興に携わる人たちは、どんな思いでいるのでしよう。「今できることプロジェクト」情報発信ツアーは、宮城県七ヶ浜町を訪れ、情報収集・発信を実践しました。参加者の体験記を通して紹介します。

横山田恵子さん(50)(仙台市) 大滝克美さん(48)(さいたま市)

セミナー

情報発信、できるかな

震災にかかわる活動には携わったことがなく、無理なくできることがあればと思っていました。セミナーでは、情報発信の意義や方法を勉強。ツイッターなどSNSの利用はちょっと怖いイメージがあったのですが、震災時に役立ったという話を聞いて自分でもやってみようかと思いました。

講師の齋藤由布子さんのお話を聞き、情報発信を勉強

セミナー2

写真で伝えるために

七ケ浜町は学生時代のヨット部の合宿拠点。復興に向けて頑張っている知人もおり、支援を続けています。セミナーでカメラマンから習った構図の取り方を早速、街に出て実践してみました。被写体をどうとらえるか。情報伝達はその瞬間から始まっているんですね。

カメラ講師相澤健治さんから指導を受け、早速実践

多聞山にて

七ヶ浜に山手の魅力再発見

松島を一望する多聞山からの眺めは、折からの霧も晴れ、島々の浮かぶ秋の碧い海に観光船の白い航跡が鮮やかで、吉田浜から出て帆走していたヨット部時代を思い出していました。海一色で当時は気づかなかった七ヶ浜の山手の魅力を再発見することができました。

松島四大観のひとつ多聞山からの美しい眺め

七ケ浜町水産振興センターにて

記憶にある風景が・・・

震災前、この周辺で知人がお店を営んでいました。震災後初めて訪れましたが、記憶にある風景との違いに驚いています。センターの屋上からは、再建された漁師さんの作業所やたくさんの釣り人が見え、少しずつですが復興に向かっている様子が伺えました。

被害と復興の両面を感じる屋上からの眺め

昼食

ボッケ汁に大満足!

昼食は地魚「ボッケ」の汁ものや唐揚げをいただきました。わたしは魚が苦手。特に魚卵は絶対に食べられない、と思っていました。が、初めて食べたボッケ汁はとっても美味しかった!卵がプリプリしていて、思わずお代わりしてしまいました。

地元のみなさんのおもてなしに感謝。顔は怖いけど味は最高!

漁師・鈴木さんの話

復興へのコミュニケーション

旬の海の幸を産地直送し、七ヶ浜の復興に取り組む菖蒲田浜漁港の漁師・鈴木直也さん。「ぼっけ汁、うまいね!」「オスはモチモチしていて刺身が最高なんスよ」。鈴木さんの熱い想いと笑顔に、顔の見えるやりとりこそが彼の元気、復興につながると思いました。

七ヶ浜の復興を熱く語る鈴木直也さん。NPOの方とも話す

ツイッターに投稿

初めてつぶやいた!

普段はニュースやほかの人のつぶやきを読むだけだったけど、初めて自分でつぶやいてみました。「これがぼっけじゃ」、「七ケ浜国際村、素敵なロケーション」。「バスの中からの七ケ浜。復興はまだまだ」。写真も一緒に投稿。これなら、できる範囲で続けていけるかな。

震災時は避難所となった七ケ浜国際村

フェイスブックに投稿

今もこれからも、いいね!

七ヶ浜の今を見て感じたことを思いのままに伝える。当地でがんばる人たちとつながり、おいしいものにはおいしい!と言い、そのがんばりには「ちゃんと見ていますよ」といいね!する。大事なことはシェアして、七ヶ浜のいいね!をこれからも世の中に広めたい。

今日たくさん発見した、七ヶ浜の人・まち・食などをフェイスブックとブログにさっそくアップ
https://www.facebook.com/katsumi.ootaki

まとめ

前向きになる話が聞けた。多くの人に伝えたいと思った。

山に登り着いた頃、霧が晴れて美しい海が広がっていました。松島四大観・多聞山、七ヶ浜の景勝地でした。地元の近海漁業で少量だけ捕れるボッケを堪能できるのは、晩秋の約1カ月間だけ。地元の皆さんがボッケ汁と唐揚げをつくってくれました。漁師さんも、ボランティアを続けているNPOの人も、復興にがんばる七ヶ浜の姿を熱く語っていました。いろんな魅力と元気を見せてくれた七ヶ浜。参加者の皆さんは、それぞれの思いをこめて、情報発信にトライしていました。

皆さんもぜひ、いろいろな町、さまざまな場面から情報発信をしてみてください。

今回の「今できること」の紙面をPDFで見る