2016年4月24日 河北新報掲載 思いは、きっと伝わる、広がる、つながる。
中野小の閉校式とお別れ会
笑顔で元気よく旅立った中野小の子どもたち。
震災で被災し今年3月に142年の歴史に幕を下ろすことになった仙台市立中野小学校(宮城野区)の子どもたちを応援するメモリアルイベントを昨年12月に開催しました(詳細はこちら)。中野小は3月31日に閉校となりましたが、26日に閉校式とPTA主催のお別れ会が開かれました。
閉校式では奥山恵美子市長、三塚修校長はじめ教職員の皆さん、地域の方々が参加。涙を流す方もいらっしゃる中、お別れ会では子どもたちも笑顔になり、伝統の太鼓の演奏も聞かせてくれました。また、参加者全員で校歌を歌い、最後に「中野小ありがとう」と声を出して、それぞれのメッセージを書いた風船を大空に飛ばしました。
こうして中野小から旅立った子どもたちは、しっかりと前を向き新しい環境の中でも中野小魂を引き継いでいくことでしょう。
山元町を深く知るツアーに参加した安田菜津紀さんから
地元の皆さんとふれあいその思いを受けとめた1日。
津波の爪痕が残る小学校を目の前に、何を忘れてはいけないのか、悲劇を繰り返さないための教訓とは何か、あの日の記憶をたぐり寄せながらもう一度、心の中で向き合った。真っ赤に熟したイチゴや海の幸を頬張りながら、知らなかった宝物に触れる喜びを噛みしめた。そんな時間を過ごせたのも、この街をただ悲しい場所にしないためにと、奔走し続けてくれた人たちがいたからだった。この学びに何を返せるだろう、とあの日から考え続けている。一人でも多くの人に、五感に残っている山元町を伝えていこう。そして必ずまた、ここに帰ってこよう。こうして人がつながり続けることが、復興の一つの形なのだと、改めて実感したツアーでした。
公式ホームページでプロジェクトの全貌を発信中
公式ホームページに投稿いただいたメッセージの一部をご紹介します。
エミさん 女性20代 2016/3/6 投稿
岡山県で中学校教諭5年目です。毎年、目の前の生徒たちに震災の記憶を語っています。起こったことだけでなく、現在どのような状況なのか。今私たちにできることは何か。記録だけでなく、私なりの記憶と想いも伝えていけるよう、毎年授業をしています。絶対に風化させません。
ようはっぱさん 女性50代 2016/2/20 投稿
2012年から毎年1回は東北に旅行してます。福島、岩手、宮城、福島、岩手とライブと兼ねてだったり、友達にあったり、資格試験だったりと用事をあえて東北にしてます。今年は宮城に行きます。大阪住まいの私にできるささやかな支援ですが、その地のおいしいものを食べて、地元の人と話をして、見た事聴いた事を大阪で伝えることができたらと思っています。
啓さん 女性50代 2015/12/14 投稿
投稿先日は気仙沼の復興ボランティアに参加させて頂きありがとうございました。そしてこの度は、その時のスナップ写真を郵送くださり、重ねて御礼申し上げます。復興の為に何が一番大切なのか……と考えた時、この震災があった事を『風化させない!』事だと……対岸の火事ではないのだ‼と言う事だと思うのです。震災当初から寄り添い、ご尽力なさっている御社には頭が下がるばかりです。私も寄り添い続けたいと思います。また機会があれば協力させてください。御社の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
たかさごさん 男性60代 2015/12/5 投稿
12月4日に開催されました中野小メモリアルイベントに行きました。本当に感動的な1日でした。自分の母校が無くなる寂しさ、そして震災を乗り越え新たな1歩を進もうとする子どもたち、本当にいろいろと考えさせられるイベントでした。「今できることプロジェクト」とても良い企画です。これからもさまざまな企画をしてください。
今できることプロジェクトは、これからも、
皆さんといっしょに続けます。
今できることプロジェクト2015年度の活動は、4つのプロジェクトを実施し、それぞれ活動の詳細を新聞紙面とホームページで伝えてきました。今できることプロジェクトのさまざまな活動は、実施してそれで終了というものではありません。被災地支援というテーマについて、私たちに今何ができるか、いっしょに考え、少しずつでも何か自分にできることを探していく、その気持ちをできるだけ多くの方に伝え、広げていきたいと続けています。参加いただいた方、紙面やホームページを見ていただいた多くの方といっしょに、つくりあげてきたプロジェクトです。プロジェクトの実施によって、また新しい動きが生まれたり、人とのつながりが広がったり、少しずつでも、被災地や被災地の方々に寄り添うことができればと考えています。これからも読者の皆さま、また賛同企業の皆さまといっしょになって取り組んでいきたいと思います。
ホームページでは、今できることプロジェクトがスタートした2012年からの活動実績や、さまざまな賛同企業の復興支援活動の取り組みなども詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
2016年度活動のスタートの際には、また新聞紙面とホームページでの告知によってお知らせいたします。それまで、こちらの特設サイトとFacebookページでは情報を更新していきますので、引き続きご覧いただきますようお願いいたします。
2015年度の活動の振り返り
気仙沼イルミネーションへのボランティア参加の実施
●実施/2015年11月21日(土)
●参加者/50人
復興の灯を、一緒につくった。
ボランティア型支援として、気仙沼イルミネーションのイルミネーション作り・設置作業を行うボランティアバスツアーを実施しました。イルミネーションは、震災後真っ暗で人が近寄らなくなった気仙沼の内湾地区に明かりを灯し、子どもたちに笑顔になってほしいと「ONE-LINE 気仙沼クリスマスイルミネーション」実行委員長の宮井和夫さんが中心になって2012年から開催してきました。毎年イルミネーション設置作業のボランティアが足りない状況でしたが、今回プロジェクトの参加者50人が4時間近く屋外で一生懸命作業をしました。
みんなで作ったイルミネーションは12月5日点灯式で灯され、気仙沼イルミネーションは今年1月15日まで開催され、来場者の目を楽しませてくれました。
2016年3月に閉校した中野小学校のメモリアルイベントの企画実施
●実施/2015年12月4日(金)
●会場/日立システムズホール仙台コンサートホール
●参加者/691人
子どもたちは、力強く歩み始めた。
仙台市立中野小学校は、震災前155名いた児童が40名になり、学区近くの中野栄小で授業を行っていました。今年3月に閉校となることが決まり、春から離れ離れになってしまう子どもたちを応援するメモリアルイベントを開催しました。
子どもたちから来場者に向けて発せられたメッセージは、多くの方々への感謝の気持ちとともに、しっかりと前を向いて自分たちのこれからを見つめ歩いていこうと、一人一人から力強く、堂々と発表されました。このメッセージに続いて全校児童40人で演奏した太鼓は、心の奥深くまで響く素晴らしいものでした。
その後、プロジェクトの趣旨に賛同して参加したMay J.さんの熱唱があり、さらに子どもたちと合唱。会場は大きな感動に包まれました。
県外から被災地への復興支援ツアーの企画実施
●実施/2016年1月30日(土)
●参加者/54人
出会った、受けとめた。町の魅力と人の思い。
山元町を訪ね、被災と復興の様子を確かめるとともに、町の魅力ある今を実感してもらう「山元町を深く知るツアー」を実施しました。540通もの応募をいただき、福島、東京、大阪など県外からも多数の参加となりました。1日を通じて「やまもと語りべの会」の渡邉修次さんら地元の皆さんに、震災を乗り越えてきた人だからこそできる山元町の案内をしていただきました。
地元産のホッキ飯や、地域の農業をけん引する園芸施設で育てられたイチゴも堪能。地元の皆さんと触れ合いながらお菓子を作ったり、迫力ある和太鼓を楽しんだりするひとときもありました。被災と復興、そして山元町の将来に向けた取り組みなど、町の皆さんの思いをしっかり受けとめた1日となりました。
社会科学習・シゴトワークショップと保護者向け特別講演会の企画実施
●実施/2016年3月21日(月・祝)
●会場/東北学院大学多賀城キャンパス
●参加者/子ども 325人、保護者向け講演会 162人
夢に向かって、学んだ、体験した。
プロジェクト2015年度の最終活動として、復興を担う子どもたちを応援する「こども未来応援教室」を、東北学院大学多賀城キャンパスで開催しました。
子どもたちにこれからの時代を見据えた興味深い学習プログラムを提供しようと、今できることプロジェクト賛同企業などが独自の授業を展開する「社会科学習」(午前の部/3教室)。いま子どもたちの関心が高い各種のシゴトについて、プロの方から授業を行ってもらい、そのシゴトを体感してもらう「シゴトワークショップ」(午後の部/今回は歯医者、テレビ局、ネイリストなど7教室)。また今回は、午前中、保護者向けのプログラムとして、講演会を開催しました。
会場は、325人の子どもたちの熱心な表情と笑顔に満ちていました。
今できることプロジェクトは
賛同企業54社の大きな支援によって活動しています。
今できることプロジェクト2015年度活動は、プロジェクトに賛同・参画いただいている54社の企業のご支援・ご協賛によって成り立っています。あらためて賛同企業の皆さまに感謝申し上げます。