2014年・第77回
入賞作品
日本画
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洋画
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彫刻
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審査員総評
日本画
福王寺 一彦 氏 [日本美術院]
全体的な水準は高かった。毎年同じモチーフで描く人が多い。研究し続けるのは良いことで、何を描きたいのかという思いが明確な作品に数多く出合えた。
ただし、安易に描いてはいけない。どうやって描くのかと問い返す態度で臨んでほしい。集中力も求められる。
画面上部はよくできているのに、下部がいまひとつという作品も見られた。最後まで頑張ってほしい。自分の気持ちを画面にぶつけ、消してはまた描く行為を繰り返すことが大事だ。
岡村 倫行 氏 [日展]
ことしもレベルが高く、若い人が多く受賞した。今後の進歩が楽しみだ。
技術向上には、これまでのやり方を意識的に変えることが必要になる。写生の時に使ったことのない硬さの鉛筆、クレヨンなどを使ってみよう。試行錯誤すると、手にぴったりくる意外な道具が見つかる。惰性に流されず工夫してほしい。
モチーフは見たままの色ではなく、見たときの気持ちを色に置き換えると良い。自然から得たものの中から何を写し取っていくのかを考えることが大事だ。
洋画
村田 省蔵 氏 [日展]
入賞作品は賞候補も含めて非常にレベルアップしており、勉強の跡がうかがえた。その半面、昨年からあまり変わっていない絵があったのはもったいなかった。力を持っているのだから、もう少し別の世界に挑戦してほしい。
東日本大震災から3年たち、入選作品の中に復興の力を感じさせる絵があったことはとてもうれしい。表現したい自分の思いが出てきたのはいい傾向だ。テクニックできれいにまとめるのではなく、作家の思いを打ち出してほしい。
大津 英敏 氏 [独立美術協会]
震災から3年が過ぎ、暗く重い感じの作品が減り、動物や自然との親密な触れ合いをモチーフにした秀作が増えた気がする。心の復興を図ろうとする東北の人たちの心情を反映した結果だと思う。
堅実な写実画が目立ち、抽象画が少ない印象を受けた。経済や社会の動向が不安定な時は抽象画を描く人が減るという説もあるが、自由奔放な想像力を生かせる抽象画は表現方法として魅力がある。特に若者にはチャレンジ精神旺盛な作品を描いてほしい。
櫃田 伸也 氏 [無所属]
日常的な場所や生活をテーマにした絵が多かった。その陰には不安や孤独感が漂っている。木の根を描いた作品が目立ったのも、震災から3年がたち、生活の土台が流されないようにという願いがあると感じた。
冒険を試み、新しいモチーフに挑戦してほしい。日常風景を主題にしている分、パターン化された繰り返しが目に付いた。独自の驚きや視点を見つけ、そこから出発すればいい。水彩画にいい作品が多かった。色の重なりやしっとりした空間づくりが良かった。
彫刻
木戸 修 氏 [無所属]
全体に若々しく、多様な作品があって良かった。石と木を組み合わせたり、変わった材料を使ったりしたものもあり、新しい試みにチャレンジしている点に好感が持てた。選外の作品の中にも、惜しいのが何点かあった。
彫刻は、自分が表現したいものと材料の特質を融合させて作る楽しみがある。材料をよく知り、見る人に作品の魅力が伝わるよう、客観的な視点で制作することが必要だ。研究を重ね、失敗を恐れず、大胆に表現の幅を広げてほしい。
概要
第77回河北美術展 | |
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会期 | 2014年4月25日~5月6日 |
会場 | 藤崎本館7・8階 |
日本画 | 出品132点、入賞8点、入選66点、入賞・入選率56.1% |
洋画 | 出品780点、入賞18点、入選277点、入賞・入選率37.8% |
彫刻 | 出品31点、入賞5点、入選12点、入賞・入選率54.8% |
審査員 | 日本画=福王寺一彦、岡村倫行、洋画=村田省蔵、大津英敏、櫃田伸也、彫刻=木戸修 |
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