2016年・第79回
入賞作品
日本画
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洋画
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彫刻
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審査員総評
日本画
岡村 倫行 氏[日展]
レベルが高かった昨年と同等だ。ただ昨年は最高の河北賞がすぐ決まったのに対し、ことしは傑出した作品がなく、賞選考で悩んだ。全体的には色の描写力に優れ、東北独特の粘り強さを感じる作品が多く見受けられた。
中央画壇に影響されるのか、本来の個性や力強さを滑らかにし、平均化してしまう作品が2割ほどある。感動を単に下絵に再現するのでなく、自分の中で昇華させ、再構築する作業をあらためて見直してほしい。宮廽 正明 氏[日本美術院]
どの作品も地道に描かれ粒ぞろいだ。風景、人物、植物の出品バランスが良かった。この中から、けん引役となる存在が生まれることを期待したい。
使う色の数を抑えた上品な作品が多かった。出品者が成熟してきたということ。技術的な安定は歴史ある美術展ならではだろう。
初入賞が目立ち、誰にでもチャンスはあると感じた。若者の健闘も光った。次世代の出品によって伝統、現代双方の美術がさらに刺激し合えるといい。
洋画
村田 省蔵 氏[日展]
受賞者のレベルは昨年より上がった印象だ。自己の内面を見つめ、表現する作品が多かったと思う。
東日本大震災から5年がたち、もう一度前に進もうという意気込みも感じられた。東北の人々のたくましさ、粘り強さに触れて、審査する私も力をもらった。
10代の出品が増えたこともうれしい。難を言えば、教室で習ったような類型的な作品がみられた。技術に走る前に、自分が訴えたいことを一生懸命に描くことを大事にしてほしい。
佐藤 泰生 氏[新制作協会]
東日本大震災から5年が過ぎ、絵画表現にも明るさが戻ってきたとの事前情報を聞いていたが、全体を通じてやはり震災の影響を色濃く感じた。他県の公募展では見られない傾向だ。
震災を意識する・しないは別として、生きる力強さを感じさせる絵画も何点かあり、勇気づけられる。 東北ではこれからも震災のテーマと向き合い、乗り越えていかなければならない。悩みの深さの分だけ、しっかりと練られた作品が生み出されていく。遠藤 彰子氏 [二紀会]
10、20代の若手の作品が多く、新鮮だった。斬新で見たことのない表現に出合えた。伝統に新しい感覚がプラスされている。
東日本大震災を連想させる絵が増えたと感じた。震災から5年の節目を迎えたせいだろうか。被災者の怒りや苦悩、悲しみが伝わってきた。 入賞経験者の中には前回よりエネルギーが落ちたように感じる絵もあった。いつも同じ絵を描くのではなく、感覚を柔らかくして、絵を豊かにしてほしい。彫刻
木戸 修 氏[無所属]
作者の思いを自由に表現した作品が目立った。具象や抽象といった表現方法、石や木などの素材はさまざまあった。出品数は減ったが、多様な作品が並ぶいい展覧会になるだろう。
それぞれの作品から作者の方向性が見えた。従来の概念に縛られることなく作られているものもあり、印象に残った。 彫刻は作る場所や時間の制約を受けるが、表現は自由だ。世界を広げ、地道に時間をかけ、これからも制作を続けてほしい。概要
第79回河北美術展 | |
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会期 | 2016年4月23日~5月4日 |
会場 | 藤崎本館7・8階、一番町館5階 |
日本画 | 出品122点、入賞8点、入選55点、入賞・入選率51.6% |
洋画 | 出品776点、入賞18点、入選282点、入賞・入選率38.7% |
彫刻 | 出品24点、入賞5点、入選11点、入賞・入選率66.7% |
審査員 | 日本画=岡村倫行、宮廻正明、洋画=村田省蔵、佐藤泰生、遠藤彰子、彫刻=木戸修 |
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