2018年・第81回
入賞作品
日本画
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洋画
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彫刻
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審査員総評
日本画
岡村 倫行 氏 [日展]
独自な作風が昨年より増えた印象がある。審査は6回目。当初は似た傾向の作品が目に付いたが、年ごとにバラエティーに富んできた。若い人の作品も目立ち、年齢的なバランスが取れている。70~90代の絵が若々しく、作者の年齢を知って驚くことが多かった。
他の公募展と比べ、真面目に着実に取り組んだと見える作品が多い。今後も、自分が感動したものを画面にどう表現するのか強く意識してほしい。その努力が見る人の共感を引き出す。
宮廽 正明 氏 [日本美術院]
作品は多様性があり、審査も非常に楽しかった。幅広い年代の方々がそれぞれの個性をしっかり持ちながら混在しているのがいい。色の使い方も上手な作品が多かった。新しいものを取り入れる創意工夫、東北人らしい力強さが表現に表れていると感じた。
絵を描くことで心に豊かさが生まれ、コミュニティーも活性化していくと思う。出品者が互いに楽しみながら切磋琢磨を続け、さらに文化の土壌が発展していくことを期待している。
洋画
佐藤 哲 氏 [日展]
河北美術展の審査は今回が初めて。自由な発想による主題の選定や、型にはまらない描き方が見られ、東北最大の公募展として想像以上の収穫だった。
奔放さを生かす上でも、「主役」は真ん中に配置する―など絵画の基本をしっかり勉強してもらいたい。
一方で、レベルの差も気になった。複数点出品者の中には、全く同じ構図で応募した例も散見された。作品は自分の言いたいことを表現するものだから、1点1点大切にしてほしい。
池口 史子 氏 [立軌会]
総じてレベルは高かったが、昨年と比べて地味な印象を受けた。迫力ある作品が減ったように感じた。
若手はアイデアが光る作品が多かった。デッサン力が増せば楽しみな存在になるだろう。年配の方の若々しい感性にも驚かされた。
写真をそのままキャンバスに写した作品が散見されたが、リアリティーや魅力に欠ける。自分の目で対象を見て描いてほしい。選外の人はデッサンに励むこと。地道な作業だが、継続は力なりだ。
藪野 健 氏 [二紀会]
深い語り掛けがある 10、20代の作品に出合えてうれしい。一方、年齢を超えてはつらつとした80、90代の作品に心が躍った。
表現方法やモチーフが多彩で実に楽しい。抽象や具象、立体に木版画。人物あり、動植物ありと一色でないところが素晴らしい。本展の特色だと思う。
複数点を出品する場合、大きさではなく、テーマを変えてほしい。伝えたいものを思う存分に描くことが肝要だ。技術は後から付いてくる。
彫刻
木戸 修 氏 [無所属]
意欲的、挑戦的な作品が多く、全体にエネルギーを感じた。人間の根本を深く見詰めた作品があり、うれしく思う。応募者の世代は幅広く、素材も石、木、粘土、金属と多様だった。
出品点数が増え、選外にも良作が目立った。今回は選外でも自分の表現を大切に制作を続けてほしい。大事なのは事前の構想。一つの見方に固執せず、さまざまな視点で検討を十分に重ねてから作業に取りかかれば伸びるだろう作品がいくつもあった。
概要
第81回河北美術展 | |
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会期 | 2018年4月26日~5月8日 |
会場 | 藤崎本館7階催事場・8階、一番町館5階 |
日本画 | 出品115点、入賞8点、入選55点、入賞・入選率54.8% |
洋画 | 出品686点、入賞18点、入選262点、入賞・入選率40.8% |
彫刻 | 出品33点、入賞5点、入選15点、入賞・入選率60.6% |
審査員 | 日本画=岡村倫行、宮廻正明、洋画=佐藤哲、藪野健、池口史子、彫刻=木戸修 |
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