2015年・第78回
入賞作品
日本画
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洋画
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彫刻
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審査員総評
日本画
岡村 倫行 氏 [日展]
昨年までは樹木など似通った主題を描く作品が目立ったが、ことしは幅が広がった。入賞作のレベルは例年通り高かった。
若い人が挑戦してくれたのがうれしい。日本画の歴史を若いうちから学べば、もっと多様な表現を生み出せるので期待したい。 テーマは分かるが、表現力が弱い作品が目に付いた。力を付けるため、小さめの下図を何枚も作るべきだ。壁に張って不要な物は捨て、デッサンを工夫すれば技術力に結び付く。宮廽 正明 氏 [日本美術院]
描写力があり、好感を持てる作品に多く出会えた。出品者の年齢層も幅広い。伝統と現代の融合がうまくいっている。
入賞した絵は全てタイプが異なり、おもしろい。賞の付かなかった絵の中にも魅力的なものがあり、底辺の広さを感じた。 欠点を直せば、良い絵を描けるようになる訳ではない。こつこつと丁寧に描くと独特の絵ができる。単なる自己主張ではなく、見る人を意識して絵を完成させてほしい。洋画
村田 省蔵 氏 [日展]
震災を客観的に捉えた作品が増えてきていると感じた。去年までは生々しい絵があったが、ことしは希望や祈りを感じる絵が多かった。日常が落ち着いてきたのだと思う。
風景画のいい作品がほとんどなかったのは残念。外に出て描く人が少なくなった。大自然を通して、自分の考えを表現する。そんな絵を見たかった。 昨年より10代の出品が増えた。技術はこなれていないけれど、ひたむきさを感じた。来年が楽しみだ。大津 英敏 氏 [独立美術協会]
今回の出品作には、震災から少しずつ立ち直っている状況が見受けられる、明るい絵が数多くあった。色使いも筆遣いも素直で、前向きに生きていこうとする意志が感じられた。
10代後半の出品者の中に、若者には表現が困難と思われるようなイメージを追求した秀作があった。若いグループと、ベテランの年齢の方々の活躍が目覚ましかった。来年は哲学的な内面を心理描写した作品など、さらに多様性が広がることを期待したい。遠藤 彰子 氏 [二紀会]
しっかりとした思いや魂が込められたものを多く見られて楽しかった。次回につながる絵画が幾つもあったのがうれしかった。
審査は、画面の作りがしっかりしているかどうかを重視して見た。入賞作はいずれも、構成力やリズムに優れ、表現したいものを見る者にきちんと伝えられていた。選外にも光る作品があった。 欲を言えば、もう少し冒険があっていい。その際、描く人の思いを受け止める鑑賞者の姿勢も大事だ。彫刻
木戸 修 氏 [無所属]
東日本大震災の影響だろうか、歴史や時間の積み重ねを感じさせる表現が多かった。移ろう時を表現するのは難しいが、20年単位で見えてくる主題に取り組んでいた。傷つきやすさを感じた作品があったが、ナイーブさがあるからこそ泉のように湧き出る希望や夢がじんわりと伝わってきた。
飾り方、置き方に問題を感じた。立体は自由に置けるからこそ置き方が重要。台の形や色、高低や方法などしっかり検討し意図が分かるようにしてほしい。概要
第78回河北美術展 | |
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会期 | 2015年4月23日~5月5日 |
会場 | 藤崎本館7・8階 |
日本画 | 出品136点、入賞8点、入選62点、入賞・入選率51.5% |
洋画 | 出品756点、入賞18点、入選274点、入賞・入選率38.6% |
彫刻 | 出品35点、入賞5点、入選13点、入賞・入選率51.4% |
審査員 | 日本画=岡村倫行、宮廻正明、洋画=村田省蔵、大津英敏、遠藤彰子、彫刻=木戸修 |
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