2019年・第82回
入賞作品
日本画
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洋画
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彫刻
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審査員総評
日本画
橋本 弘安 氏 [日展]
初めて審査を担当した。幅広い年代の応募者が生き生きとした絵を描いていて驚いた。身近な人物や動物、風景など題材が多岐にわたり、画一的でない良さがある。東北は自然が身近にあり、風景画を描きやすい環境だと思う。自然をじっくり観察すれば、そこから学ぶ何かがあるはずだ。
選外にも、もうひと頑張りで入選・入賞が狙える作品はあった。今後も自分の色彩感覚や構成力を信じ、自由に、真剣に絵と向き合ってほしい。
宮廽 正明 氏 [日本美術院]
日本画の枠にとらわれない非常にユニークな作品が多く、楽しく審査できた。着眼点や色使いが独特で、逆に勉強させられた。
高校生の出品がなかったのが残念だったが、80〜90代の絵がたくさんあった。感性が若く、力強さもある。新鮮だった。
東京のまねをするのではなく、東北らしさを大事にしてほしい。幅広い年代に多くの作品を出品してもらい互いの良さを共有することが、文化の継承と豊かさにつながる。
洋画
佐藤 哲 氏 [日展]
多様な作品に出合った。一つの傾向に偏らず、どうなるか分からない面白さがあった。東日本大震災の影響も垣間見えた。明るさも暗さもあったが、へこたれない思いが伝わる。
写真を元にした絵はすぐ分かる。自然を感じて描くと作者の正直な思いが表れ、絵が大きくなる。
他の公募展に比べて若い世代の出品が多く、期待している。世代特有の気持ち悪い絵もあるが、珍しさで目を引くのではなく品格を大切にしてほしい。池口 史子 氏 [立軌会]
昨年に比べて無難な作品が多く、目立つ作品が少なかった。全体として若手とベテランのバランスが取れていなかった。
若手は技術が伴っていないのに、描きたい気持ちだけが先に立っていた。油絵に向かないモチーフを選び、絵にならないものに挑戦していた。力量があるベテランは積極性に欠けた。
具象ならデッサンをしっかりするといった、基礎を徹底的に身に付けてほしい。地道な努力を続けないと成長しない。
藪野 健 氏 [二紀会]
バラエティーに富んだ作品に出合えるところが河北美術展の特色だと思う。
若い世代の出品が積極的で、未完成ながらも何か魅力を秘めた作品が多くあった。テーマや表現を変化させながら筆を執るベテランも意欲的。82回を数える展覧会を支えているのだと改めて実感した。
東北らしい雪景色や行事を描いたほか、憧れや夢、記憶などをテーマにした絵が目立った。主題を消化した上で表現すると、より心に訴える一枚に仕上がる。
彫刻
木戸 修 氏 [無所属]
一つ一つ時間をかけ、エネルギーが込められた作品が多かった。表現したいことがはっきりしていて、作品に強さがあった。多様な素材が使われ、昨年より自由に作っていた。
若い人の可能性も感じた。意欲を裏付けるため、研究に励んでほしい。たくさんの作品を見ていろいろ試すといいだろう。
選外にするのが忍びない作品も少なくなかった。選ばれなかった人は、やりたいことをもっと突き詰めたらいいと感じた。
概要
第82回河北美術展 | |
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会期 | 2019年4月25日~5月7日 |
会場 | 藤崎本館7階催事場、TFUギャラリーミニモリ |
日本画 | 出品111点、入賞9点、入選59点、入賞・入選率61.3% |
洋画 | 出品654点、入賞22点、入選327点、入賞・入選率53.4% |
彫刻 | 出品25点、入賞5点、入選13点、入賞・入選率72.0% |
審査員 | 日本画=橋本弘安、宮廻正明、洋画=佐藤哲、藪野健、池口史子、彫刻=木戸修 |
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