賛同企業のできること2016
復興支援から生まれた絆 互いのまちの発展へ
物産イベントや体験学習で女川町と相互交流
これまで、さまざまな形で東日本大震災の復興に取り組んできた三菱地所グループは、2013年8月に女川町と復興支援に関する協定を締結。 被災した商店の再建を目的に計画されたテナント型商店街「シーパルピア女川」の開業に関わり、 定期的に現地へ出向いて商業施設の運営・管理ノウハウを提供するなどの支援を行ってきた。 昨年1月には、「シーパルピア女川」と三菱地所グループが運営する商業施設「泉パークタウン タピオ」が姉妹施設協定を締結。 タピオを会場に「女川物産展」「おながわ秋刀魚収獲祭」を開催した。
また、女川町では、泉パークタウン在住の親子を対象に、新しい街並みで復興を体感する「体験学習プログラム」を実施。 たくさんの親子が、シーパルピア女川の散策を楽しんだ。この相互交流活動は今後も継続していく予定。
復興支援をきっかけに生まれた絆を、お互いのまちの発展へつなげるために、同グループはこれからも女川町を応援していく。
多くの人出で賑わったタピオでの「女川物産展」
海辺の街を散策して学ぶ体験学習も大いに好評
取材協力/三菱地所株式会社
地域に寄り添いながら被災地に心の笑顔を
地域建設業が担う宮城の復興への役割
地域の建設会社で組織される宮城県建設業協会では、地域の安全・安心を支え、豊かな暮らしを実現する創造的復興に向けて総力を結集し取り組む一方で、 被災者の心の笑顔を取り戻す活動も展開している。昨年8月12・13日に、仙台市体育館で開催された「大相撲仙台場所」では、震災復興支援巡業の主旨に賛同して特別協賛。 宮城県と岩沼市との協定締結により、5年間にわたっての防災林を再生する事業「海岸防災林再生支援植樹活動」においては、クロマツの植樹活動を実施した。 このような、建設業の特性を生かした社会貢献活動及びCSR活動を精力的に推進している。
また、震災を風化させることなく復興の現状を地域建設業の活動とともに伝えることを目的とした震災記録誌「3・11東日本大震災 宮城県建設業協会の闘い」第5弾を、 今年2月に発刊。次世代の担い手にスポットを当て、さまざまな事例を紹介している。
復興に果たした役割を紹介する「宮城県建設業協会の闘い」
岩沼市寺島地区で行った防災林の植樹活動
取材協力/一般社団法人 宮城県建設業協会
あしながチャリティー&ウォーク開催で震災遺児を支援
明治安田生命の社会貢献活動
明治安田生命保険相互会社では地域社会への貢献をめざす全社共通の社会貢献活動として、「あしながチャリティー&ウォーク」を全国各地で開催。 従業員がウォーキングとチャリティー募金を通じて、被災遺児を中心に親を亡くした子どもへの支援を行なっている。
宮城県では明治安田生命保険仙台支社が主催となり、昨年10月30日(日)に仙台中心部で開催された。
参加者は明治安田生命仙台支社の職員・家族および東京海上日動火災保険株式会社仙台支店の社員の総勢122名。 青葉区中央にある明治安田生命仙台支社から仙台市中心部を約3キロにわたってウォーキングを行なった。秋晴れのなか、錦町公園などを参加者全員が完歩し、成功裏に終了した。
参加者や賛同者からのチャリティー募金は東日本大震災で親を亡くした子どもたちの進学奨学金として「あしなが育英会」のほか、東日本大震災みやぎこども育英募金へ寄付された。
仙台では122名が「あしながチャリティー&MYウォーク」に参加
秋晴れの錦町公園など市中心部でウォーキングを実施
取材協力/明治安田生命保険相互会社 仙台支社
復被災地の砂を俳壇に供え 宗派を超えて供養
被災地の冥福と復興を祈る七回忌法要を開催
3月11日、真言宗蓮臺寺(仙台市太白区萩が丘/座主・北野宥範)の本堂に全国各地から僧侶が集まり、 「東日本大震災七回忌法要」が執り行われた。蓮臺寺では、東日本大震災後の毎月11日に、継続して震災法要が行われているが、 仏教的な節目でもあった今回の七回忌法要には、四国・大阪・名古屋・東京・栃木の真言宗各寺院の僧侶が参加。 さらに、長野善光寺からも小松玄澄師が加わり、まさしく宗派の枠を超えた総勢11名の僧侶による大法要が営まれた。
仏前には、昨年12月から今年2月にかけて、僧侶たち自らが福島・宮城・岩手の被災地沿岸部へ足を運び、 浜辺で採取してきた砂を詰めたガラス瓶も供えられた。この法要では、震災で亡くなった被害者への追善と遺族の心と身体の復興を願い、荘 厳な読経の声が本堂いっぱいに響き渡った。
復興への祈りが込められた被災地沿岸部の砂は、僧侶たちによって現地へ散布される予定となっている。
11人の僧侶が震災からの復興を願って読経
被災3県の沿岸部から集められた浜辺の砂
取材協力/宗教法人 蓮臺寺
子どもたちの笑顔で東北3県を元気に
子どもに寄り添う支援を被災した東北3県で展開
サントリーグループは、東日本大震災復興支援のために「サントリー東北サンさんプロジェクト」を立ち上げ、 「漁業」「子ども」「文化・スポーツ」「チャレンジド・スポーツ」の分野を中心に総額108億円の規模で復興支援活動に取り組んでいる。
同グループが建設費用を全額支援し、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの呼びかけによって震災後に結成された 「石巻市子どもまちづくりクラブ」が企画・デザインして2014年1月に開館した「石巻市子どもセンターらいつ」。 昨年10月に、サントリーサンバーズの荻野正二アドバイザーによるバレーボール教室を行うなど、さまざまな支援活動を展開している。 今年1月に行われた3周年イベント「らいつの日003」では、子どもたちから感謝状を贈呈された。
岩手県「山田町ふれあいセンター」でも昨年10月、公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団とともに「サントリー&仙台フィル みんなのまちのコンサート」を実施し、クラシックの美しい音色を地元の方々に届けた。 今後も、地域に寄り添った復興支援活動を継続的に取り組んでいく。
3周年イベントが行われた「石巻市子どもセンターらいつ」
初開催のサントリー&仙台フィル みんなのまちのコンサート
取材協力/サントリーホールディングス株式会社
大津波から命を守る桜を100年先へ
首都圏の桜イベントで東北の植樹活動を支援
住友不動産は、東日本大震災の復興支援の一環として、NPO法人さくら並木ネットワークが実施する「さくら並木プロジェクト」をバックアップしている。 これは、東北各地の大津波到達地点へ桜の木を植樹することにより、100年後の未来まで津波被害の教訓を伝承する取り組み。 東京・西新宿、六本木で開催しているお花見イベントの中で「桜基金」募金を募り、期間中の売上金の一部とともに寄付を行った。
また、豊かな自然に育まれた農産物や海産物、伝統工芸品など、東北の魅力ある物産に着目し、全国に発信・販売するECサイト「東北エールマーケット」を運営するYahoo! Japanと協力。これらの商品を実際に手に取ってもらおうと、 「東北エールマーケットMARCHE(マルシェ)」を、3月7日に高田馬場、11日に東京日本橋タワー足下の広場で開催。両日合わせて約2000人の来場者を集めた。
これからも、さまざまな事業を通じて都市の防災・減災に取り組むとともに、東日本大震災の復興支援も推し進めていく。
3月19日に石巻市さくら町で実施した桜の植樹活動
盛況となった「東北エールマーケットMARCHE」
取材協力/住友不動産株式会社
被災地で育った大麦がおいしいビールに
東松島産の大麦を使ったクラフトビールを販売
アサヒグループは、東松島みらいとし機構(HOPE)とともに「希望の大麦プロジェクト」を2014年から着手。被害が甚大だった旧公園用地を利用して大麦を栽培し、クラフトビール造りに挑んでいる。
2015年6月に収穫した試験栽培の大麦は、加美町振興公社やくらい地ビール製造所と連携し、加工・商品化。昨年はさらに規模を拡大し、6月に大麦約4・4トンを収穫した。今回は、その大麦200キロを使ってアサヒグループのクラフトビール醸造所「隅田川ブルーイング」で仕込みが行われ、1700リットルを醸造、「希望の大麦エール2017」として2月20日から販売をスタートしている。 昨年11月には、その第一弾として仙台市ほか全国15のグループ飲食店で提供し、大いに好評。1杯につき100円の寄付も実施している。印象的なプロジェクトロゴは、東松島市在住のデザイナーによるもの。これを契機に同市の復興と活性化が促進し、雇用創出にもつがなるよう期待が高まっている。
昨年6月に東松島市で行われた大麦の収穫風景
出来たてのクラフトビールで乾杯(2016年11月撮影)
取材協力/アサヒグループホールディングス株式会社
スポーツの楽しさを通じて 宮城の子どもたちを支援
憧れの有名選手たちが被災地で熱心に指導
日本生命保険相互会社は、社会貢献事業として子どもたちを対象にした「ニッセイ野球・卓球教室」を各地で開催している。同社野球部と卓球部に所属するトップクラスのプレイヤーたちが、スポーツ振興と児童・青少年の健全育成を目指し、技術指導を行いながら競技の楽しさを伝える活動に取り組んでいる。
仙台支社は、県内の被災地の子どもたちを対象に活動を展開。2016年2月7日の岩沼市総合体育館、同年7月30日の東松島市民体育館で開催した卓球教室では、日本生命女子卓球部の石垣優香選手らが訪れ、小中学生や一般の卓球愛好家と触れ合いながら、そのテクニックを披露した。また、11月26日には、社会人野球の名門、日本生命野球部が石巻市民球場で小学生に指導。石巻市・東松島市・女川町から集まった7チーム119人が、守備や投球の技術を学んだ。
名だたる選手たちを前に、子どもたちはみな目を輝かせながら参加していた。より一層、競技に励む意欲を得られたようだ。
参加者と選手が対戦したチャレンジマッチ(岩沼市)
バッティングフォームの指導に目が釘付け(石巻市)
取材協力/日本生命保険相互会社仙台支社
世界に誇る先進の技術で東北の復興を強力に後押し
1853年創設の日本初の近代造船所「石川島造船所」を起源とするIHI(アイエイチアイ)は、造船で培った技術をもとに事業拡大し、日本の近代化に大きな役割を果たしてきた。2007年に社名を石川島播磨重工業からIHIに変更し、総合重工業メーカーとして、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に新たな価値を提供している。
東日本大震災では、その広範囲にわたる技術力で被災したお客さまの数々の復旧工事に携わり、早期復旧・復興を目指し全社一丸となって対応してきた。甚大な被害を受けた橋の架け替え、常磐自動車道の早期全線開通、発電所設備の復旧による産業復興の加速化、非常用管制塔設備での空港の早期復旧などさまざまな分野で震災復興に貢献してきた。
今後もIHIは「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力で世界的なエネルギー需要の増加、都市化と産業化、移動・輸送の効率化などの社会課題の解決に貢献することを目指していく。
航空機エンジン部品を製造し、世界の航空機産業に貢献する相馬事業所(相馬市)
取材協力/株式会社IHI東北支社