賛同企業のできること2017
現地の人々と心を通わせ復興の未来をともに
女川の現状を学びながら新たなまちづくりに寄与
三菱地所グループは、東日本大震災の復興支援活動として社員有志によるボランティアツアーを2011年から毎年開催。震災、復興の状況を知るとともに、被災地での作業を通じて現地の人々との交流の機会を重ねてきた。
「シーパルピア女川」で笑顔の記念撮影
昨年度は、9月11日から2泊3日の日程で、30人が女川町を訪問した。同社東北支店は、テナント型商業施設「シーパルピア女川」が開業するまでの期間、運営管理業務を支援。オープン後は、仙台市泉区の「泉パークタウン タピオ」と姉妹施設協定を結び、地域の相互交流を図るさまざまなイベントを実施している。1日目は、語り部ガイドとともに町内を歩き、震災当時から現在までを知る復興まちづくり勉強会を行った。2日目は、女川駅周辺の店舗の手伝いなどを行った。最終日は、駅前商業エリアの除草や清掃作業に汗を流した。
女川駅前商業エリアで行った除草・清掃作業
今年度も、グループ社員に参加を募り、『女川町のまちづくりを知る、交流、体験ツアー』を開催する予定となっている。
取材協力/三菱地所株式会社
身近な「カルピス」で乳酸菌と酵母の働きを学ぶ
アサヒグループの子ども支援プログラム
アサヒグループは、東日本大震災の復興支援活動をはじめ、環境保全や観光振興などをテーマにさまざまな活動を行っている。河北新報社主催の「今できることプロジェクト」の趣旨にも賛同し、3月4日に開催された「こども未来応援教室」では社会科学習プログラム「『カルピス』こども乳酸菌研究所」をテーマに授業を展開。「カルピス」の原料である乳酸菌や酵母の働きについて、顕微鏡での観察や牛乳と発酵乳との飲み比べ、ちがう乳酸菌で発酵させたヨーグルトの食べ比べなどを通して学んでもらった。また、「日本中を笑顔にしたい」という思いで「カルピス」が開発されたことを聞いた子どもたち。
授業には約40名の子どもが参加した
「全ての人を笑顔にするために悪いことはしなくなるような乳酸菌を発見したい」など、将来どんな乳酸菌が見つかったらいいかアイデアを出し合った。授業後は「普段は気にしていなかった乳酸菌について深く知れて良かった」といった声も聞かれ、身近なものについて考えるきっかけにもなった。
発酵させる乳酸菌の種類によってヨーグルトの味や性質が変わった
取材協力/アサヒグループホールディングス株式会社
被災地の復興を担う人々へ活動を支えるための資金を
地域福祉に貢献する助成事業を長年展開
大和証券は、設立50周年記念事業の一環として、1994年に大和証券福祉財団を設立。これまで24年にわたって、一般ボランティア団体・グループへのさまざまな助成事業を行ってきた。
2011年以降は、東日本大震災の被災者支援を行っている団体も対象に加えて事業を継続。昨年までの7年間は、震災関係の支援として延べ247団体に総額1億117万3318円の助成を行ってきた。このうち、宮城県だけを見ると、延べ50団体・総額2092万2969円となっている。
昨年の主な助成先として、「NPO法人高齢者サポートチームしおたが」に活動資金30万円を提供し、塩竈市の公営住宅に移り住んだ方と近隣地区住民の交流に役立ててもらった。また、気仙沼市大島の介護施設や小学校、保育所などで本の読み聞かせを行っている「読み聞かせボランティアいわしの会」や、仙台市宮城野区新浜地区の野菜の植え付けや料理教室などのイベント開催を支えている「宮城親子で料理プロジェクト」にも助成を実施している。
読み聞かせボランティア いわしの会の活動を支援
財団の活動に対する認知度も年々高まり、現在では全国各地でボランティア活動を続けている団体・グループから多くの申請が届いている。今後も社会のニーズを汲み取りながら、時代の変化に対応した助成活動を続けていく。
取材協力/大和証券株式会社
地域の安全を力強く支える事前の備えと支援活動を
多くの命を救う避難ビルと業務に即した水難防止活動
名取市美田園に本社を置く潜匠建設株式会社は、2016年5月に避難ビルとしても機能する4階建ての社屋を竣工した。屋上は約300名の避難が可能で、お年寄りや子どもでも安全に避難できるエレベーターを設置。ビル内には、100名が3日間過ごすのに十分な保存水や食料などを備蓄し、災害発生時には各エリアの潜水ダイバーが、すぐに救助へ向かえる体制も整えている。
本番さながらの緊張感で臨む避難訓練
本社は名取市の指定避難場所にあり、毎年、近隣住民を対象にした避難訓練を行っている。また、今年の夏には、気仙沼市で「水難事故防止運動」を開催する予定。同社は日頃から水中捜索・安全指導を実践しており、水難事故の予測・予防へ積極的に取り組んでいる。
震災直後から続けている遺体捜索活動のボランティア
避難ビルや非常時の設備は、事前の備えが大切だと考えている。1人1人の気持ちの中に本当の復興が感じられるまで、地域の方々に潜匠建設が「ここにあってよかった」と思ってもらえるよう、今後も復興支援・ボラティア活動を続けていく。
取材協力/潜匠建設株式会社
ふるさとの笑顔のために被災地の再生を後押し
宮城の復興を進める地域建設業の支援活動
宮城県建設業協会では、ふるさと宮城の早期復興に向け総力を結集し、工事施工に当たるとともに、被災者の心の笑顔を取り戻す活動として、毎年8月に行われている「大相撲仙台場所」や、昨年初開催の「東北・みやぎ復興マラソン」などへ支援を行った。復興マラソンでは、1キロメートルごとにイラスト付き距離看板の設置も担当。さらに、宮城県と岩沼市との協定締結による防災林の再生事業として、一般参加者を募って実施したクロマツの植樹活動といったCSR活動も展開している。
岩沼市寺島地区で行った防災林の植樹活動
昨年3月には、栗原市内で感染が確認された「高病原性鳥インフルエンザ」埋却作業においても、宮城県との災害協定に基づいて72時間でのミッションを完了するなど、地域の安全・安心の確保にも努めている。
今号で6冊目を数える「宮城県建設業協会の闘い」
また、震災を風化させることなく、復興の現状を地域建設業の活動とともに伝えることを目的とした震災記録誌第6弾を今年3月に発刊し、今後も復興を遂げるまで続けていく。
取材協力/一般社団法人 宮城県建設業協会